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2013年06月21日

クマ棚の森

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裏磐梯の秘密基地から10分ほど歩いた林道脇の木の上にクマ棚を発見。


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近づいてみると栗の木だった。


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木の下にはクマが食べたであろう栗の食痕があった。


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そして糞も。


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辺りを見渡してみると、周辺の木にもクマ棚がたくさん作られていた。


少し離れた木には樹皮が剥がされた跡があったが、これはクマの仕業ではなく、横方向から剥ぎ取った跡が残る歯型からすると、たぶんカモシカの食痕だろう。
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そんな野生動物の息吹が感じられるこの森にも、原発からの風が確かに届いている。
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裏磐梯の風光明媚な地形は明治時代の磐梯山の大噴火によって形成されたことはよく知られているが、噴火による火砕流などで荒廃してしまった森林が、その後、人の手による地道な植林などによって、後世の自然環境が整えられたのは、あまり知られていないだろう。
人の手によって復活を遂げた自然環境もあれば、原発事故によって人の生活圏が限りなく原野化してゆく自然環境も存在する。
それが今の福島県の現状なのだが、裏磐梯の見事な自然環境が、昔の機材も乏しい時代に人の手によって復活したことを思えば、原発事故による環境破壊も、現代人の英知と技術、そして地道な努力によって、きっと乗り越えていけるとオイラは信じたい。
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崖の上にもクマ棚。

まあ、この周辺では放射線を気にするよりも、まずはクマに注意しなければならないだろうね。
作られた自然環境だろうが空から降ってきた放射性物質だろが、クマには知ったこっちゃないだろうから。
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posted by stma at 01:40| 東京 ☔| Comment(0) | 震災 原発 放射線 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年06月19日

裏磐梯では

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裏磐梯の秘密基地周辺の放射線量は、地上高約1メートルでは0.3μSv/h、地表近くでは0.5μSv/hと、去年と比べても相変わらずの数値を示す。
警戒区域周辺から比べれば、かなり低い数値にみえるのだが、この程度の線量でも十分留意すべき数値だろうと思う。
神経質になり過ぎて過剰に不安がるのも問題だが、馴れすぎて原発事故への関心そのものが風化してしまうのも問題だ。
この放射線量が平常時の数値に戻るにはあと何年必要なのだろう。
福島第一原発の廃炉が済み、放射線の影響が無くなったその跡地に立ち、線量計を捨て去る瞬間の写真を、オイラは命のある内に撮ることができるだろうか。
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2013年06月15日

立入制限

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2013年5月現在、国道6号線を北上して一般車両が立入できる警戒区域はこのゲートまで。
これから先は、立入許可を得た者のみが入れる帰宅困難区域となっている。
しかし、通行が可能なこのゲート手前でも、線量計の数値は6μSv/hを超えている。
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同じ場所でも、歩道が無く路肩に雑草が茂っている道路の反対側では7μSv/hを超えてくる。
しゃがみ込むと10μSv/hを超え、地面すれすれでは13μSv/hを超えてしまう。
やはり雨風で洗われるアスファルトやコンクリートの路上よりも、雨水の染み込む土壌の方が放射性物質が蓄積しやすく、汚染濃度が高くなってしまうのだろう。
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立入可能なこの場所でも、これだけの放射線量が計測できるワケで、目にも見えず、肌にも感じず、直ちに身体に影響しないといわれる放射線量といえども、このゲートで警戒にあたっている警備職員はもちろんだが、さらに放射線量の高い立入制限区域内で除染作業や復旧作業に従事している各方面の職員や従業員の方々の、目に見えない過酷さが忍ばれる。
そのような現地での取り組みを、気休めだの無駄だのという批判的な声を発する輩を、遠く離れた地域で見受けることもあるが、こうして現地入りして見て歩くたびに、そうした机上の空論というより卓上の妄想のような理屈をこねているヤツには、本気で明日の日本を憂う気持ちなど、ありはしないと思えてくる。
この現状を歪曲して、反体制の出汁やイデオロギーの肥やしにしてしまうのは、なんとも愚かしく思えるね。
だからオイラは官邸前に集うよりも、被災地の現状を目で見て肌で感じることの方を選ぶんだ。
それが唯一自分にとって確かな事だと思っているからだ。

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2013年06月12日

これから・・・

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富岡町は福島第二原発の北側に位置していて、第一原発の事故による放射能汚染の影響で警戒区域に指定され、いまでも住民のほとんどが避難生活を強いられているが、先の警戒区域の再編により一部区域は立入ができるようになった。
しかし町内の至るところが震災当時のまま時間が止まっているようで、一時帰宅はともかく、ここでの日常生活が戻ってくるには、これからも様々な困難を乗り越えなければならないのは、線量計の数値をみても明らかだ。
それでも国道の歩道橋には、この町の不屈の意思表示が掲げられている。富岡町の復興への本格的な戦いは、これからはじまるのだろう。
これまでのコトを非難するだけなら簡単なことだが、すべてはこれからが大事なことで、そんな被災地のこれからを、コツコツと見て歩いていこうと思う。
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すべてはこれからだ。

posted by stma at 23:43| 東京 ☁| Comment(0) | 震災 原発 放射線 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年06月06日

除染袋

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瓦礫処理が少しずつ進む一方で、代わりに増えていくのが除染作業に伴って収集される、放射性物質を含んだ廃棄物を詰め込んだ「除染袋」だ。
このような除染袋が除染作業の済んだ所々に積まれていて、その後、地域ごとに指定された仮置き場へ順次収集され運び込まれてくる。
仮置き場といっても空き地に野積みするだけということではなく、まず袋詰めで運び込まれた廃棄物を、併設された除染廃棄物減容施設で圧縮などの減容処理を施して、しっかりと再梱包する。
敷地は雨などによって廃棄物から流れ出た放射性物質を含んだ汚水が、周辺の土壌を汚染してしまうのを防止するため、整地した地面下に遮水シートなどで防水処置を施して排水を管理するように対策されている。さらに除染廃棄物を詰めた袋は仮置き場の中央部へ並べ、その外周と上部に汚染物質を含んでいない土を詰めた袋を、除染袋を囲い込むように重ねて並べて、除染廃棄物から出る放射線の影響を減少させるように対策しているようだ。
そのためだろうか、仮置き場を見下ろす土手の上の国道で計測した放射線量よりも、敷地のすぐ脇に下りて計測した放射線量の方が低い数値を示していた。
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現在このように積み上げられていく除染袋も、やがて敷地が満杯になれば遮水シートなどで覆い隠され、さらには放射線を封じ込めるために土が掛けられて、土中に埋められてしまうのかもしれない。
行政サイドでは、仮置き場としての措置は概ね3年を目途にしているようだが、最終的な処分方法などが決まらなければ、次はいつここから搬出されるか不明だ。
だから、このような光景が見られるのも今のうちだけなのかもしれない。
震災以降、継続的に現地に出向いているのは、こうした『今』を見ておきたいからだ。
地震、津波、原発事故、被災、避難、瓦礫、除染・・・現地では報道などでは伝わってこない『今』がたくさん存在する。
そして『今』はすぐに『過去』になってしまう。
このような仮置き場も、覆い隠されて人目に付かなくなってしまうと、すぐに世間からは忘れ去られる『過去』になってしまうだろう。
だからこそ、過去を忘れ去らないように、今をしっかりと見ておく必要があるんだ。
今を見ておかなければ、過去を語ることもできないしね。
そして過ぎ去った『今』の印象を過去の記憶から呼び起こすための写真を撮り続けていくんだ。
だから『今』の印象を、いかに写真に残していけるのかが、プロであろうとアマチュアであろうと関係なく、写真家としての力量が問われるところなのだと思うね。

写真は過去を残すのではなく、今を残すことが大切なのだ。
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posted by stma at 00:31| 東京 ☀| Comment(0) | 震災 原発 放射線 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年06月02日

福島の瓦礫

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2013年5月撮影

福島の瓦礫処理は、なかなか進まないと聞いている。
他県の被災地と違って、福島の瓦礫は原発事故に伴う放射性物質の影響で広域処理はされず、現地の処理施設だけで管理されながら処理されるので時間が掛かるからだ。
それでもこの場所の瓦礫置き場では、去年の写真と比べてみれば、その量はかなり少なくなっているように見える。
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2012年5月撮影

昨年ここで放射線量を測定したとき、他の地域よりも高い数値を示していた。瓦礫そのものに近づいて計測してみるとさらに高い数値を示していた。
見た目に瓦礫が少なくなった今年はどうであろうかと計ってみたところ、周辺部では昨年とあまり変わらない数値を示した。そしてさらに瓦礫置き場に近づいてみると、これもやはり昨年と変わらず高めの数値が計測される。
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原発事故直後に放出された放射性物質は、津波被害を受けた福島の沿岸部の瓦礫にも広く降り注いだ。
被災地を覆い尽くしていた瓦礫は復旧のため一旦仮置き場に集められたが、降り注いで付着した放射性物質も一緒に集められてしまったため、その放射線量も高くなってしまったというワケだ。
そのことが福島をはじめ、各地の瓦礫処理に対する懸案事項となって、その処理方法などが物議を醸したということだ。
しかし、その瓦礫が少なくなったにも拘わらず放射線量が以前と比べてあまり変わらないのは、長期間にわたり露天に晒されたため、雨などによって瓦礫に付着していた放射性物資が洗い流されて、その下の土壌へ染み込んでしまったためであろう。
このことは放射性物質の対処処理が一筋縄ではいかないことを示しているようだ。
瓦礫は徐々に処理されていくが、放射性物質が処理されるワケではない。
地域の除染作業が進んでも、放射性物質が処理されるワケではない。
しかし、手をこまねいているわけにもいかないだろうし、これといった手だてのない現在では、様々な試行錯誤が現地では必要なのであろう。
現状も把握せず的外れな論理で批判めいた言動を繰り返す輩も見受けるが、現地に出向て現状を見て歩くたびに、そういった言い分が虚しく滑稽に思えてくるオイラである。

posted by stma at 05:17| 東京 ☁| Comment(0) | 震災 原発 放射線 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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